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2018/10/31
「地面師」とは土地専門の詐欺師のことです。
「土地師」では呼びにくいですし、「土地家屋調査士」と混同してしまうのでちょっと稚拙な感じを含ませた「地面師」が定着したのだと思われます。
隠語辞典やコトバンクなどの現代用語辞典サイトには、他人の土地等を自分の所有物だと偽って売買をし、お金をだまし取る詐欺師のことです。
他人の所有する物を売買することを「他人物売買」といいます。民法では、他人物売買はれっきとした適法行為です。
ただし不動産に関わる法律である「宅建業法」では消費者保護の観点から、他人の所有する不動産を一般個人等に売る行為は原則的に禁止されています。
しかし、他人物売買の適用除外ケースが3つあります。
1、 売主が当該不動産を取得することが明らかな場合
2、 マンションや分譲地の「未完成物件」で手付金の保全措置がされた場合
3、 宅建業者間の取引の場合
です。
最近の地面師による詐欺の手口は、「宅建業者間の取引」で行われることが多いです。
普通、取引相手が嘘をつくなんて想定しないと思います。
例えばカレー屋さんで「毒入りカレー」が出るかもしれないなんて誰も思いません。
しかし実際に地面師による詐欺は行われています。
不動産取引では慎重に相手の人間性を観察して、取引をしてよい相手かどうかを見極めなければならないということです。
最近、ハウスメーカー最大手の積水ハウスが地面師に55億円だまし取られたというニュースがありました。
住宅のプロなのに詐欺なんかにやられちゃうの?と思われるかもしれませんが、上述したとおり、地面師による詐欺の多くは宅建業者がターゲットになっています。
今回の地面師の手口は、「なりすまし」でした。所有者のふりをするという実に大胆な手口だったんです。
所有者本人だと思わせるために本人確認用の印鑑証明・パスポートを偽造して手付金をだまし取ったのです。
騙されるかもしれないという意識がない限り、偽造を見抜くことは難しいです。
ニュースを見る限り、地面師が一番悪いと感じてしまいますが、実際には地面師は末端の使い捨てのコマだと言われています。
黒幕がいて地面師を数百万円で雇いうまく利用しているそうです。
今後の捜査がどうなっていくのか注目していきたいと思います。
地面師の詐欺にあわないための対策として考えられることは登記事項証明書で所有者を確認し、所有者の現住所を訪ねて本人と話をし、本人確認資料等の書類をしっかり見て違和感がないか確認する地道な作業が必要です。
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